数千億円のバッドノウハウ

 

本来手に入れられたはずの価値を、手に入れられなかった。

成功しても、失敗しても、程度の差はあれこういうものがあるはず。

成功確度を高めるためには、ここに着目して原因を探って、次はどうすべきかを徹底的に考えるべきだと思う。

 

モバイルウォーズは、ある程度は成功した。

会員数は70万人、モバゲーのローンチタイトルにも選ばれた。

でもこんなのは、小粒な成功。

結果、5年も続かずに終わった。

 

モバイルウォーズは、コンテンツプロバイダー事業としての成功だけでなく、コンテンツアグリゲータ事業を目指して始めていた。

つまり、今のグリーやモバゲーを目指していた。

今大流行してるモバイルソーシャルカードゲームを、2007年当初から始めていて、どこよりも先んじていた。

クエストもバトルも合成も進化もガチャもコンプもイベントも、全てがそろっていた。

企画のほとんどは、前例がないため周囲を模倣することなく、自分たちで頭を悩ませて考えて作っていた。

こんなカードゲームが最初からついているSNSは、他になかった。

他のSNSから来たユーザが友だちを連れてきて、他のSNSそっちのけで喜んで遊んでた。

今のグリーやモバゲーになれるはずだった。

 

それなのになぜ、負けたのか?

覚えているセリフがある。

「リリースして半年後に、売上が数万円かよ」

株主にそう言われて、それで社長が代わった。

新社長は広告を打ちまくって、表面上は会員数も売上も伸ばした。

しかし裏ではシステムが負荷に耐えられず、後になってシステムを全部作り直してしまった。

 

前例のないことを確信に変えるためには、時間が必要。

技術的な問題を解決する時間も必要だけど、一番必要なのは、ユーザが慣れる時間。

その解決のために必要なことを考える時間が足りないまま、ダッシュがかかってしまった。

はやく儲けたいと願う株主の焦りが、技術やユーザへの無関心を生み、拙速な戦略を良しとしてしまったんだろう。

 

今振り返ればモバイルウォーズに足りなかったのは、チュートリアル。

そして、アンチSNSから王道SNSに化けるために必要だった、経営資源。

それらが足りなかった。

当たり前だよな、、、会社が小さいんだから。

そんな経営資源のとぼしい会社が、マスに受けるサービスを最初から作れるはずがない。

だから、コアなユーザを離さないものを作って余剰資金を作ってから、マスへ展開するつもりだった。。。ああ、ちょっと愚痴っぽいな。

 

まあとにかく、今の自分のモチベーションが下がらないのは理由があって。

今のグリーやモバゲーになれるはずだったのになれなかったこと。

得られるはずだった、とてつもない価値を失ってしまったこと。

 

あの当時、あのアイディアには確かに数千億円の価値があった。

その価値があったことは、今、時代が証明してくれている。

それを、捨ててしまった。

今も眠れなくなるくらい後悔している。

多くのメンバーさんの期待を裏切ってしまった。

 

あと、もうひとつ。

アイディアがあること。

また、数千億円の価値があるアイディアを着想したこと。

また、3年後に業界がこれ一色になる。

 

今度は、失敗しない。

成功するやり方でやる。

前回のように、リソースがないからといって、技術のない自分が開発をやるのは辞めた。

いざチャンスが来た時に、経営資源が乏しくてダッシュをかけられないのもごめんだ。

 

今回は、自分自身の利益は目指さない。

サービスが世界で成功すればいい。

サービスでたくさんの人が楽しんでくれればいい。

 

喜ばせることが出来たはずのたくさんの人を、がっかりさせてしまった。

次は、同じ失敗を繰り返さない。

 

焦るべからず

 

今まで、エンジニアやプロデューサーをやってサービスを作ることで、たくさんの方にサービスを見てきてもらいました。

 

そのサービスを、自分が作ったってことを知っている方がどれくらいいるかな?

もしかして、次回作を期待してる方がいるのかも。

 

でもね、時間はかかりそうです。

なにしろ今やっているのは人集めです。

仲間探しから始めています。

何をするにしても、一緒にやってくれる人がいないといけません。

 

次に何をしようとしているか?

アイディアを着想してから半年たつけど、ぜんぜん色あせないや。

むしろその技術が登場してから、今年が元年と言われるくらい普及する年になりそうだよ。

 

だけど今回は焦らずに、機が熟すのを待つことにした。

発明をしたいわけじゃなくて、サービスを成功させたいからね。

 

急いては事をし損じる。

人生は重荷を背負い長い道を行くがごとし。

焦るべからず。